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近視について

近視とは?

近視は、近くの物ははっきり見えるものの、遠くの物はぼやけて見えにくくなる疾患です。
あらゆる距離のものをはっきり見ることができる正常な状態(正視)の場合は網膜上にピントが合っていますが、近視は、網膜の手前にピントが結ばれてしまう状態をいいます。

近視は様々な種類がありますが、多くは『軸性近視』と言われており、近見作業の増加などが原因で、眼軸長が後方向に伸びることで発症します。

近視予防に良いこと

屋外活動は目にとって良いことだと言われており、近視の発症抑制・進行の遅延につながるという研究結果が多数報告されています。
屋外活動では自然と遠くに焦点が合い、近見作業で負担のかかった目の緊張を緩和します。
屋外でしか再現できない明るさの光を週11時間以上浴びた子どもは、近視になりにくいこともわかっています。
一方、現代の生活は、デジタルコンテンツの普及により屋内での遊びが充実したことや、様々な社会的要因などの影響も相まって、私たちの屋外活動は年々減少しています。

野外での
活動時間と近視

野外で過ごす時間が長いほど近視の発症率が低くなり、また近視の進行速度低下と相関する可能性があります。
野外活動が週13時間(1日約2時間)未満では、近視のリスクが大きく高まります(*1)。

遠くを見る力を守る

狩猟民族でも都市部で生活すると、平均1.0程度まで視力低下するというデータもあり、生活環境が関係していると考えられています。

近視は最も
身近な生活習慣病

2,620

近視

1,900

肥満

1,795

高脂血症

1,560

高血圧

465

糖尿病

389

関節炎

(単位:100万人)

生活習慣病患者予測

現在、近視は最も身近な疾患のひとつで、生活習慣病の中でも多くの患者数がいます。世界を見ても近視人口は増加しており、世界保健機関(WHO:World Health Organization)によると2050年には50%の人が近視になると予測されています。また、強度近視の割合も増加すると予測されています(*2)。

特にアジアの近視人口は著しく増加しており、欧米において成人の近視の有病率は30%から40%に対し、アジアでは80%と言われています。

過去20年を比較しても、子供の近視有病率は飛躍的に高くなっており、このまま上昇し続けると推定されています。

近視が持つリスク

眼軸長が過剰に伸長し、強度の近視を発症すると、緑内障、白内障、網膜分離症や網膜剥離などの深刻な視覚障害につながる可能性があります。近視が進めば進むほど、こういった病気のリスクが高まり、特に子供のころに強度近視を発症した場合のリスクはさらに高まると言われています。

(-5Dの場合)

網膜分離症

40.6

倍以上

白内障

3.1

倍以上

緑内障

3.3

倍以上

眼軸長が過剰に伸長し、強度の近視を発症すると、緑内障、白内障、網膜分離症や網膜剥離などの深刻な視覚障害につながる可能性があります。近視が進めば進むほど、こういった病気のリスクが高まり、特に子供のころに強度近視を発症した場合のリスクはさらに高まると言われています。

近視の
メカニズム

近視は 屈折性近視・軸性近視・偽近視などに区分されますが、その多くは軸性近視と言われています。

軸性近視とは、眼軸長が楕円形に伸びることで網膜にピントが合わなくなる現象です。

近視発症の要因

近視は、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が正常よりも長い、または角膜や水晶体の屈折力が大きすぎることにより発症します。眼球は子供の成長に伴って伸びますが、通常であれば10歳から12歳の間に止まると言われています。近視の発症要因は、近見作業の増加などといった環境要因と遺伝要因があると考えられており、両親が近視の場合、子供も近視になりやすいという報告もあります。しかし、近年の近視人口は、遺伝要因では説明ができないほど急激に増加しており、環境要因など他の要因が強く関係していると言われています。

野外活動の減少

デジタル機器の
長時間使用

目を酷使する
様々な活動

Sources:
*1Xiong S, Sankaridurg P, Naduvilath T, Zang J, ZWu PC, Chen CT, Lin KK, Sun CC, Kuo CN, Huang HM, Poon YC, Yang ML, Chen CY, Huang JC, Wu PC, Yang IH, Yu HJ, Fang PC, Tsai CL, Chiou ST, Yang YH. Myopia Prevention and Outdoor Light Intensity in a School-Based Cluster Randomized Trial. Ophthalmology. 2018 Aug;125(8):1239-1250. doi: 10.1016/j.ophtha.2017.12.011. Epub 2018 Jan 19. PMID: 29371008.
Zou H, Zhu J, Lv M, He X, Xu X. Time spent in outdoor activities in relation to myopia prevention and control: a meta-analysis and systematic review. Acta Ophthalmol. 2017 Sep;95(6):551-566.

*2Myopia: Holden BA et al. Global prevalence of myopia and high myopia and temporal trends from 2000 through 2050. Ophthalmology. 2016;123(5):1036–1042 International Myopia Institute
https://www.myopiainstitute.org/prevalence.html Obesity: World Health Organization. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/obesity-and-overweight Hyperlipidemia: World Health Organization.
https://www.who.int/gho/ncd/risk_factors/cholesterol_prevalence/en/ Hypertension: Mills KT et al. Global Disparities of Hypertension Prevalence and Control: A Systematic Analysis of Population-Based Studies From
90 Countries. Circulation. 2016;134(6):441‐450 Diabetes: Saeedi P et al. Global and regional diabetes prevalence estimates for 2019 and projections for 2030 and 2045: Results from the International Diabetes
Federation Diabetes Atlas, 9th edition. Diabetes Res Clin Pract. 2019;157:107843 Arthritis: Osteoarthritis Research Society International

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